愛知教職員組合連合会

愛教組連合とは

会⻑あいさつ

 愛教組運動のはじまりは、1947年6月。結成大会により、歴史がはじまりました。結成時から約70年間、名古屋・尾張・三河の3ブロックが一枚岩となって、教育に責任をもつ組織として、取り組みをすすめてまいりました。

 2017年度には、政令市の権限移譲に伴い、愛教組の組織を見直し、尾張・三河からなる愛教組へと組織を改編しました。さらに、「愛知はひとつ」を合言葉に、愛教組・名教組とで組織する愛知教職員組合連合会「愛教組連合」を立ち上げ、愛教組70年の歴史を継承する組織として、現在に至ります。

 愛教組連合の運動に対し、ご理解いただいている保護者、県民、関係諸機関の方々に深く感謝を申し上げるとともに、今後とも、ご支持・ご協力をよろしくお願いいたします。わたくしたち愛教組連合は「教育の主人公は子どもたち」「教え子を再び戦場に送るな」という先輩方の教えを忘れることなく、未来を担う子どもたちのために活動を展開していきます。そして、笑顔あふれる学校をめざし、名古屋・尾張・三河の3ブロックで力を合わせ、取り組みをすすめていきます。

愛知教職員組合連合会 会長

佐藤 勝利

愛教組連合の主な活動について

 教育研究愛知県集会

 愛教組連合はこれまで、組合活動の柱の一つとして教育研究活動を大切にし、「生きる力」を育む「ゆたかな学び」を保障する授業づくり・学校づくりを推進してきました。教育研究愛知県集会は、子どもを中心に据えた、ゆとりとふれあいのある豊かな教育の実現にむけて、愛知県内の教員が結集して行われる集会です。日々の授業や学校生活における教育活動の中で教育研究のとりくみをすすめ、その成果を愛知県内各地から持ち寄り、研究討議を深めていきます。また、保護者・県民・教育関係団体にもご参加いただき、未来を担う子どもたちの健やかな成長をめざして、学校・家庭・地域で大切にしていきたいことなどについて共通理解をはかっています。

 平和教育推進委員会

 「教え子を再び戦場に送るな」の不滅のスローガンのもと、平和の大切さを次世代に語り継いでいくために平和教育にかかわる取り組みをすすめています。平和教育推進委員会では、平和教育学習会や戦争体験記「焼け跡に立つ虹」を活用した平和教育実践などの取り組みをすすめています。平和教育学習会では、被爆体験者による平和学習や、講師を招き紛争地域の子どもたちの現状について学習を深めるなどの活動をしています。また、平和教育実践をリポートにまとめ、子どもたちに平和の大切さを伝える実践資料として、還流をはかっています。

ジェンダー平等教育推進委員会

 価値観が多様化した時代だからこそ、性別にとらわれることなく、子どもたちには自分に自信をもち自分らしさを大切にした生き方をしてほしいと願い、「一人ひとりが自立し、ともに生きる力をどう育てるか」をテーマに、子どもの自立をめざした実践を通して教育研究を行っています。

 2024年度は、「一人ひとりが自立し、ともに生きる力をどう育てるか」を研究テーマに実践を行いました。実践を通して、自らがもっているジェンダーに対する偏見や思い込みに気付くとともに、自分らしさを大切にし、主体的に生き方を選択していこうとする生徒の姿がみられたと成果が報告されました。

 愛知父母と教職員の会

 愛知父母と教職員の会は、子どもたちの健全育成や両性の自立・平等教育をすすめるため、保護者と教員の連携をはかる上で大きな役割を果たしてきました。

 2024年度は、法務省矯正医師のおおたわ史絵さんを講師に、「はじめの一歩~子どもの健全な成長のために~」というテーマで講演会を行いました。おおたわさんご自身がプリズンドクターとして少年院で生活する子どもたちとかかわってきた経験を通して、「生まれつきの凶悪犯というのはおらず、生まれた後の環境で子どもは天使にも悪魔にもなる」ということや、「子どもは多くの人とかかわり、会話をすることで脳が発達し、情緒が安定する」ということについて、少年院で生活する子どもたちの具体的な事例を交えてお話いただきました。また、幸せホルモンの「セロトニン」は、90%が腸の中にあり、それが多いと我慢強くなり、少ないとイライラしやすくなるという話題から、その増やし方についてもお話いただきました。腸はなるべく温めること、朝食はなるべく温かいものを食べること、太陽の光を浴びることなど、すぐに実行に移すことができるアドバイスをいただくことができました。講演の最後の「幸せは人からもらうだけでなく、すべて自分自身で、自分の体の中から生み出せるもの」という言葉に、多くの参加者がうなずく姿が見られ、幸せのあり方と幸せに生きるためのヒントをたくさんいただくことのできたすばらしい講演会となりました。分散会では、保護者と教職員の共通理解をはかることができました。

 愛教組連合養護教員研究集会

 子どもたちの健やかな成長をめざして、健康教育をすすめていくために、養護教員の力量向上をはかることや、養護部会の活動について理解を深め、組織強化をはかることを目的に開催しています。養護教員をとりまく情勢や、愛教組連合の取り組みについての提案、講演会を通して学習を深めています。 

 2024年度は、岐阜大学医学部医学教育開発研究センター准教授の川上ちひろさんを講師に、「発達障がいのある子どもの性と人間関係の支援」というテーマで講演会を行いました。講演会の中で、川上さんは次のように話されました。性の欲求は、睡眠・食欲の欲求とともに三大欲求といわれており、マズローの欲求段階でいくと生理的欲求の部分にあたる。睡眠・食欲の欲求と同じように大切で、強い欲求であることを改めて考えてもらいたい。この三大欲求で社会的に問題となるのは性の欲求であり、それが思春期に強まった際に、生理的欲求であるということを認めた上で、具体的に対応を考えていくことが大切になってくる。教育というのは「人を育てること」。性教育とは「単に性の知識を教えること」が目的ではなく、「性の領域から、人を育てること」である。そういう意識をもつことが重要である。性の問題に対して、対応を考えるときに必要なのは、場面をふかん的に見ること、問題の一部だけを見るのではなく、その子の背景や学校の中の様子をすべて見ていくことが大切である。 子どもから大人になることは、すごろくのようなものであり、一方向に順調にすすんではいかない。一回休みだったり、戻ったり。そうしながら人生というゴールに向かっている。発達障がいの特性のある子どもたちはそれが理解しづらいため、一回ダメとなると、自分がダメな人間だと思ってしまう。そのため、かかわる周りの大人が、PDCAサイクルで、1か月後の姿・半年後の姿をイメージしてかかわっていくことが必要である。

 愛教組連合青年部祭典

 青年部の組織強化、力量向上を目的に、青年部祭典を実施しています。

 「第50回愛教組連合青年部祭典」は、結束を力へ」をテーマに開催しました。日本ペップトーク普及協会の浦上大輔さんを講師に、「子どもたちのやる気を引き出す魔法の言葉がけ」というテーマで講演会を行いました。「ペップトークとは何なのか」という基本的なことから、「受容、承認、行動、激励という四段階を意識することで、効果的なペップトークをすることができる」という実践的なことまでていねいに教えていただきました。また、「ありがとうの対義語は、当たり前であり、子どもたち一人ひとりがその場にいること自体がありがたいことであると認識し、感謝を伝えるのが最高のペップトークである」というお話をいただきました。子どもたちの現状を受容し、それに対して否定的な言葉ではなく、前向きな言葉をかけ続けることで、「何事にも前向きにがんばろう」という気持ちを育むことができるなど、大切な考えを示していただきました。教員として、さらに力量を高める貴重な機会となりました。